茨城県北ロングトレイルのコースで出会えるジオな風景。中央部エリアのコース上である袋田周辺には、ジオサイトにも指定された魅力ある見どころがいっぱいです。
袋田の滝ジオサイト
太古の昔は陸地として、その後海底火山として、袋田周辺は地質の歴史を重ねてきました。地域を形づくってきた長い長い地球の歴史を、また大地に育まれつむがれてきたその土地の文化を体験できる場所として、茨城県北ジオパーク構想・袋田の滝ジオサイトとしても認定されています。
袋田周辺の地質的歴史
およそ1700万年前、日本列島が大陸から離れはじめ、日本海ができ始めたころ、袋田周辺は火山活動の活発な陸地でした。火砕流や土石流の痕跡が今も残ります。1500万年前ごろになると、袋田周辺はいったん海に沈み、海底火山として活発に活動します。そして800万年前ごろに、地殻変動によって袋田周辺はふたたび陸になっていきます。現代に続く自然の景観は、こうした地質的歴史を経て形成されたものです。
魅力あふれるジオ的見どころ
袋田の滝の近くで、「レキ岩」を見ることができます。大小の様々な石(レキ)が固まってできた岩で、およそ1700万年前の活発な火山活動が見て取れる、土石流の堆積物です。
袋田の滝第一駐車場から滝方面へ歩く途中、滝川の川岸では斜めになった地層「斜交層理」を見ることができます。ダイナミックに大地が動いた証であり、その後の河川の流れによって芸術的に形作られた地層です。
袋田の滝は、1500万年前には海底火山でした。その活動が終わると、海底で砂や泥に埋もれながら水中火山岩となり、800万年前ごろに周辺の地層と共に再び陸地となります。陸地となった地層は、雨や川の流れで削られていきますが、水中火山岩は硬いためそのまま残り、その斜面に流れ落ちる水が滝になりました。名瀑・袋田の滝は、こうした大きな地層の変動を経て現在の姿になっています。
歩くことで見える新たな魅力
こうした地質的背景を理解しながら歩いてみれば、袋田の名勝にさらに味わい深い魅力を感じられることでしょう。ドライブの速度では通り過ぎてしまうような新たな発見を、旅の中で見つけてみてください。
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